
灰流うらら
チューナー・効果モンスター
星3/炎属性/アンデット族/攻 0/守1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):以下のいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、
このカードを手札から捨てて発動できる。
その効果を無効にする。
●デッキからカードを手札に加える効果
●デッキからモンスターを特殊召喚する効果
●デッキからカードを墓地へ送る効果
今回はカード解説兼紹介回という事で『増殖するG』と並ぶ手札誘発モンスター代表の1枚、 『灰流うらら』の紹介になります。2017年の 【マキシマム・クライシス】にて初登場したモンスターで 『捕食植物オフリス・スコーピオ』や【真竜】、 『盆回し』あたりと同期のカードですね。相手ターンに手札から発動できる【手札誘発】の中でも革命的なカードの1枚でもあり様々なデッキに必須枠として採用されてきた歴史があります。まあ2024年現在でもそうなっている訳なんですが。出た直後は『墓穴の指名者』等のメタカードもなく対処がかなり面倒くさかったカードという印象がありましたね。
今回はこのカードの大まかな使い方と対策に感して考えの整理のついでにまとめていこうかなと。
このカードの仕様

このカードはまず【カードの発動】と【効果の発動】に対して【効果無効】を行うカードであり、その性質からダメージステップで発動できないという特性を持ちます。このカードで無効化出来る効果は
-
デッキからカードを手札に加える効果(例: イーバ、 アビス・シャーク、 強欲で金満な壺、 皆既日蝕の書、クロシープ等)
-
デッキからモンスターを特殊召喚する効果(例: EMERGENCY!の①、 スプライト・スターター、ピュアリィ○○メモリーの特殊召喚効果等)
-
デッキからカードを墓地へ送る効果( 烙印融合、 おろかな埋葬、 ティアラメンツ・レイノハート等)
の3つですね。3つと少ないように見えて無効に出来るカードはかなり多く、これだけでも十分な汎用性の高さがあります。逆に止められないカード効果としては
-
デッキからカードを除外する効果(封印の黄金櫃、ネクロ・フェイスの②等)
-
デッキからカードをセットする効果 (ラビュリンス・シャンドラの①、盆回し等)
-
デッキからカードを表側表示で置く効果(粛声の結界の②、 アラメシアの儀の①等)
-
デッキからカードを発動する効果( ヌメロン・ウォールの①等)
-
デッキからカードをモンスター扱いでセットする効果(マジカル・シルクハット、等)
-
デッキからモンスターをEXデッキに置く効果(ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムの①等)
-
デッキからPスケールに直接置く効果(例:慧眼の魔術師、 悪魔の聲等)
-
デッキからカードを直接装備する効果(例: 昇華騎士-エクスパラディンの①、 ユニオン格納庫の②等)
-
デッキからカードを破壊する効果(聖炎王ガルドニクスの②等)
-
一部のモンスター効果の成功時にドローする効果(例:相互リンクしていないトロイメア・フェニックスの①等。相互リンクしてたら効く)
-
デッキからのチェーンブロックを介さない特殊召喚(例:憑依覚醒-デーモンリーパー等)
-
コストでデッキから送ってから発動する一部の効果(例:斬機サーキュラーの①、 ヌメロン・ネットワークの①等)
-
●の処理を含む一部のカード効果(ヒュグロの魔導書等)
-
デッキからモンスターをリリースする効果(巳剣降臨等)
の大まかに分けて14種類あります。多いように見えてカードの種類としてはこちらの方が少数派ですね。ただこの14種類は強い効果を持つカードが多いので知識として覚えておくといいかも。
どういった場面で撃つべき?
まず前提としてこれに関しては読み合いの範疇であり明確な答えはないです。というのも最近はこの『灰流うらら』1枚を手数でゴリ押せるテーマが増えてきており、完全に止まる場面が減ってきているからですね。デッキによってはそれに対する裏目も調べておくと楽。それでも撃った方が特する場面というのはあるのでそれを紹介していきます。
①:相手が強力な1枚初動からスタートした場合


これに関しては出力が高すぎて撃たないと負けるので割と持っているのなら撃ち得ですね。わかりやすいが故に釣りで発動されるパターンもある。1枚初動に関してはデッキ毎にカードが違うので知っておくと比較的楽に進めます。【HERO】にとっての『ヒーロー・アライブ』や【破械】での 『魔界発現世行きデスガイド』、【R-ACE】における 『EMERGENCY!』、【スネークアイ】での 『スネークアイ・エクセル』、60枚デッキでの『隣の芝刈り』などがこれに当てはまりますね。エクセルに関しては②の効果があるので『無限泡影』やヴェーラーの方がどちらかというといいですが泡影は『炎王神獣キリン』の裏目があるので少し難しい。
②:コストを払って初動にアクセスしたい動きをした場合


1枚初動に関してはデッキ毎にカードが違うという話を上でしたんですが一部のカードはその代償が比較的重い場合があります。魔法罠をコストにして展開に繋ぐ『白き森のアステーリャ』やカードを墓地に送り『原罪宝スネークアイ』からスタートした場合、純構築での『ホルスの栄光-イムセティ』、自身をリリースして初動に繋ぐ『ミラー・ソード・ナイト』や【ウィッチクラフト】、 手札のモンスターをコストとする『捕食植物オフリス・スコーピオ』、自身とチューナーを捨ててサーチを行う『ジャンク・コンバーター』等がそれに当てはまります。コンバーターに関してはジャンクスピーダー派と議論になりますね。相手がコストで1枚+発動したカードで1枚の2枚をこちらの『灰流うらら』1枚で無効化出来るので実質的な1:2交換になりお得ですね。ミラーソードに関しては召喚権を潰しているのに等しいので釣り合いはとれてる
③:相手のドローソースを止めたい場合


これに関してはデッキにもよりますが自分はどちらかというと止めたい派ですね。『強欲で金満な壺』に関しては発動タイミングが固定でかつ止めればよっぽど手札が揃っている場合以外は墓穴はほぼ無い事がわかるうえに相手の展開に余裕がなくなる場合が存在し、『命削りの宝札』に関しては大体展開の最後に使ってくるため【真竜】等の罠ビートデッキに当たった場合は真っ先に警戒します。【ラビュリンス】あたりは命削りが入らず強金を入れる構築が多いのでそこは知識ですね。『金満で謙虚な壺』に関しては『墓穴の指名者』や他の貫通札引かれてしまうと終わってしまうので初手の金謙は自分は止める派ですね。
④:カード名ターン1が付いているタイプの初動カードに撃つ


これもなるべく意識しておいた方が考えの補助になって比較的楽ですね。例えば【ピュアリィ】の速攻魔法は発動にターン1がなく1枚をうららで止めたところでゴリ押されるパターンがあるのですが『ピュアリィ・リリィ』と 『ピュアリィ・マイフレンド』は数少ない同名ターン1が付いているモンスターなので通れば確実にリソースを削ることが出来ます。これが絶対に正解という訳でもないのがピュアリィ戦の難しいところですがまあそれは置いといて。最近のテーマはサーチに同名ターン1が付いているパターンが多いですが無いモンスターも存在するので止める場合はテキストを確認しておくと思考に余裕が出来る。【ラビュリンス】相手にならターン1が付いている『ウェルカムラビュリンス』の罠に『灰流うらら』を徹底する人もいますね。ターン1の無い『闇の誘惑』や『閃刀起動エンゲージ』、【未界域】のモンスターの手札効果に撃ってターン1ありません2枚目ありました本命は別でした負けですというパターンを減らせる。『闇の誘惑』に関してはサンダードラゴンの擬似的な初動になったりするので難しめ。痛い目にあったら撃ちましょう。
⑤:召喚権を使った1枚初動に撃つ


一部のデッキは召喚権を使った初動から入った場合に『灰流うらら』に非常に脆くなってしまう場合があります。【相剣】においての『白の聖女エクレシア』の召喚から入った場合や【マナドゥム】のプリズマー召喚、【ふわんだりぃず】の『ふわんだりぃずと謎の地図』や壺から入らない『ふわんだりぃず×ろびーな』はその典型ですね。旅支度では『灰流うらら』はカバー出来ないので。『ふわんだりぃずの旅支度』始動とかは切羽詰まってる可能性があるので撃ってもいいかも。『アチチ@イグニスター』なんかは撃ってもいいですがサイバースはリンク値を伸ばすことを目的としているのでその後のフィールド魔法をサーチする『ダークインファント@イグニスター』にうららを当てるというのも手。
⑥:1枚が2枚になるカードに対して撃つ


これに関してはわかりやすいですね。このカード1枚から手札にカードが1枚増えますと書いてあるので止める。わかりやすいが故に釣りで使われるパターンも存在する。『儀式の下準備』に関してはここで止めてしまうとデッキがわかりづらくなるという欠点もありますが、今だと『粛声なる守護者ローガーディアン』サーチしてローを素材に儀式召喚され元も子もなくなるというパターンもあり、選択肢から外すのはもったいないと個人的には思います。逆にすぐに死に直結しない 『魔玩具補綴』あたりは少し考えたほうがいいかも。『魔弾の射手マックス』とかには迷わず撃ちましょう。
⑦:他の手札誘発がケアされてしまう恐れがある場合に使う


例えば自分の手札に『灰流うらら』の他に誘発札である『無限泡影』や『エフェクト・ヴェーラー』を合わせて持っている際に『炎王の孤島』の①が発動された場合、展開パーツの『聖炎王ガルドニクス』の他に、対象から逃す事が出来る『炎王神獣キリン』やモンスター効果を無効に出来る『炎王獣ガネーシャ』を選択肢に入れる事になってしまう場合がありこのサーチが通ってしまった時に非常に面倒くさくなります。そういう時に孤島の①にうららを撃っておけばその選択肢を外すことが出来ますね。『灰流うらら』と他の手札誘発カードを合わせ持っている場合に選択肢に入れておきたい択の1つになりますね。そういうパターンもあるくらいに思っておけばいいと思います。実際は孤島スタートはあんまりないですけど。
⑧:相手の『増殖するG』を止める

現代の遊戯王の中で最強の使い方ですね。正直これが出来るから3枚入ってるまである。先行が圧倒的に有利な遊戯王において『増殖するG』のドローは負け筋を作られるのと同義ですからねー。『灰流うらら』を入れておけば墓穴抹殺うららの6枚体制で増Gを見れる。似たようなカードに『マルチャミー・プルリア』が出ましたが増Gほどのスペックがないのとあのカード単体では見れないデッキが多いのでしばらくは先行なら増Gにうららでいいと思います。相手の手札誘発という意味ではγにも撃てますがあいつはターン1ないのでほぼ意味をなさない。
対策
『灰流うらら』は増Gケアと相手の初動を潰すためのカードであるため対策となると
- 『墓穴の指名者』等の汎用札を積む
- チェーンの順番を考える
- 効きづらい、もしくは手数で補えるデッキを使う
このあたりが対策として挙げられます。③は現代のデッキならば大抵ゴリ押せるのといくらページがあっても足りないので割愛するとして①が比較的楽ですね。簡単に解説していきます。
①:『墓穴の指名者』等の汎用札を積む


汎用札の種類としてはそれなりにあって、
- 『墓穴の指名者』
- 『抹殺の指名者』
- 『簡易融合』→『ミレニアムアイズ・サクリファイス』
- 『PSYフレームギア・γ』
- 『禁止令』
- 『発禁令』
- ランク4→『フレシアの蟲惑魔』から『墓穴ホール』をコピー
- 『セリオンズ“キング”レギュラス』や『炎王獣ガネーシャ』、『幻想のミセラサウルス』等の無効系カードを使う
わかりやすいのはこの辺りですかね。まあこれに関してはデッキにカードを入れるだけなので簡単だと思います。最後の奴がデッキを選ぶくらい。
②:チェーンの順番を考える



例えば『幻爪の王ガゼル』と『大翼のバフォメット』を融合素材として『幻獣王キマイラ』を融合召喚した場合に発動される効果として
- ガゼルの②のサーチ効果
- バフォメットの②の蘇生効果
- キマイラの①のハンデス効果
の3つがあり好きな順番でチェーンを組むことが出来ます。発動順番を選べるわけですね。ですがガゼルを最後にしてしまうとそのガゼルのサーチ効果に『灰流うらら』が直接チェーン出来るようになってしまい無効化されてしまう恐れがあります。この場合はガゼルをサーチを1番手か2番手に入れることで躱す事が出来ますね。
例①
- キマイラ
- バフォメット
- ガゼル
↑
ここに『灰流うらら』が直接チェーン出来てしまいガゼルが無効化される
例②
- ガゼル
- バフォメット
- キマイラ
↑
『灰流うらら』はキマイラが邪魔して直接チェーンが出来ず効果が無効化出来ない!!
よくわからないという人はとりあえずサーチ効果を効果の発動順(チェーン)の始めの方に押し込んでおけばなんとかなります。サーチ効果しかなかった場合はどちらか被害の少ない方を犠牲にしましょう。
現在でも最強レベルの手札誘発の1枚
最近のテーマはうらら1枚で止まることは減ってきてはいるもののなんといっても腐る場面が少ないというのが偉いですよね。正直増Gが生きている限りは使用率は下がらないカードだと思います。これを超えるカードもいつかは出てくるんだろうか・・・
