今回はテーマ紹介回という事で後攻に特化した珍しいドラゴン族テーマ【天盃龍】の紹介になります。2024年の【レガシー・オブ・デストラクション 】に登場したテーマでメインモンスターの共通効果によってバトルフェイズ中にシンクロ召喚をしつつ展開する事が出来る【後攻ワンキル型】のデッキですね。
基本展開
初動:『天盃龍パイドラ』1枚
パイドラを召喚して効果で『盃満ちる燦幻荘』をサーチ、『盃満ちる燦幻荘』を発動して『天盃龍チュンドラ』を手札に加えて特殊召喚、そしてバトルフェイズへ。チュンドラの攻撃時に『天盃龍ファドラ』を特殊召喚。攻撃を済ませた後にメインモンスター共通効果であるバトルフェイズ中のシンクロ効果をチュンドラで使い、『燦幻昇龍バイデント・ドラギオン』をシンクロ召喚し効果でパイドラを蘇生。パイドラのシンクロ効果を使ってバイデントを絡めて『燦幻超龍トランセンド・ドラギオン』をシンクロ召喚。
このターン攻撃宣言を3回以上行っていれば墓地のバイデントを蘇生して1破壊、ファドラの効果を使うために攻撃して墓地のパイドラを蘇生。ファドラのバトルフェイズ中シンクロ効果を使って2体目のトランセンドか『トライデント・ドラギオン』をシンクロ召喚して攻撃。(トライデントならばフィールド魔法を破壊して打点倍の追加攻撃。)
最終盤面:『燦幻超龍トランセンド・ドラギオン』、2体目のトランセンドor『トライデント・ドラギオン』、『天盃龍パイドラ』
ここまで展開してきたモンスター全員で攻撃しているので相手モンスターがいなければ総合ダメージが1万を超えると凄い事になっていますね。
フィールド魔法である『盃満ちる燦幻荘』がある状態で『トライデント・ドラギオン』の効果で起爆出来れば更にダメージが上がる。全部通れば16000を超えますね。一応全部攻撃が成功した想定だと総合打点は
1700+1500+1600+2600+3000+1700+2600+6000×3=32700ですね。なんじゃこりゃ。1万どころではない。
パイドラの効果で炎ドラゴンに戦闘ダメージが0に、ファドラを展開出来れば炎ドラゴンが戦闘で破壊されなくなるので戦闘をしつつ安全に展開を通せるというのも偉いですね。
まあこれはあくまで基本展開なので相手モンスターの種類によってそれ相応に展開が変わります。
強み①:シンクロデッキでありながら一部の手札誘発に引っかかりづらい
天盃龍はバトルフェイズに展開するのが基本なのでメインフェイズ中にしか使えない『原始生命態ニビル』や『エフェクト・ヴェーラー』の影響をそこまで受けづらく、ダメージステップ中に行う出来事がそれなりに多いため【効果を無効】にするタイプの誘発を躱すことができるというのは偉い点ですね。
強み②:シンプルに戦闘の合計ダメージが高く、メインデッキがコンパクト
天盃龍の攻撃が全て通れば16000以上のダメージを取れるという事もあり、『金満で謙虚な壺』のダメージ半減のデメリット下でもワンキルする事が一応可能です。他だと展開ルートさえ考えれば難易度は上がるものの『ディメンション・アトラクター』下でも『トライデント・ドラギオン』を絡めれば10000以上の打点を叩き出せる事もあり非常にパワーが高い。テーマ内のメインモンスターやEXの枠がかなりコンパクトで汎用捲り札をガン積み出来るというのも偉いポイントですね。
メインの天盃龍で8.9枚、『盃満ちる燦幻荘』と開門で6枚、エクストラの必須枠はバイデントとトライデント、トランセンドで5.6枚とかなり少なめでいい。
先行をヴァレット展開等でケアする構築もあれば捲り札ガン積みの後攻に振り切った構築もあったり十人十色。変わった所だと『逆巻く炎の宝札(バーニングドロー)』入りの構築とかもありますね。
強み③:フィールド魔法があればメインフェイズ1中は基本的に邪魔されづらい
フィールド魔法の『盃満ちる燦幻荘』があればメインフェイズ1の間のフィールドの炎ドラゴン、というか【天盃龍】は相手の効果を受けないため安全にパイドラのサーチを通す事が可能です。このカード自体もサーチ効果を内蔵しているので初動になるというのが偉いですね。【天盃龍】は『燦幻超龍トランセンド・ドラギオン』まで行ってしまえば相手はバトルフェイズ中に効果を発動する事が出来ない効果があるので上振れてしまえば相手の妨害をテーマ内だけで踏み超える事が出来る。『トライデント・ドラギオン』でこのカードを破壊されると戦闘ダメージが倍近く跳ね上がるおまけにしては破格の効果が付いてくるため、このカードがあるかどうかで勝率自体は変わってくるカードなのかなと個人的に思っています。
反面無ければパイドラや『燦幻開門』に『灰流うらら』等の手札誘発を受けやすくなる。【フィールドのモンスターだけに耐性を与える】点とメインフェイズ2には適応されない点は注意ですね。
弱み
後攻テーマのため妨害を受けやすいのと攻撃そのものを止められると面倒くさい
まあ後攻デッキである以上仕方ないと言った感じ。汎用の捲り札や相手ターンを縛る『ディメンション・アトラクター』や『ドロール&ロックバード』、先行だと『大熱波』や『次元障壁』とかに頼る必要がどこかで出てくるのかなと。どれを引くのかは運ゲーになりがちのため難しい所ですね。それか先行に寄せた展開にするか。自分が探している中だと先行で強そうと感じたのは2枚初動でヴァレットを絡めた上振れサベージ+ヴァレルエンド+ブラックフェザーアサルトドラゴンの盤面あたりだったので今の環境だと先行盤面がお世辞にも強い盤面とは言い難いですね。今の【炎王】や【スネークアイ】が強すぎるだけとも言える。
あとは攻撃や召喚そのものを抑制するカードも面倒くさい。前者だと『威嚇する咆哮』や『光の護封霊剣』の墓地効果、後者だとシンプルに『サモンリミッター』や『カイザーコロシアム』あたり。あとは墓穴やアトラクターの裏目はあるもののダメージを最小限に抑える『クリフォトン』とかでしょうか。まあ【天盃龍】は後攻デッキのためライスト羽根箒大嵐をガン積みしてくる可能性があるので前者の方が通りやすさ自体はあるのかも。
『燦幻超龍トランセンド・ドラギオン』まで行ってしまえば相手はバトルフェイズ中に効果を発動する事が出来ないので攻撃反応系カードは流石に微妙くさい。バトルフェイズ中シンクロ効果は問題なく使える。
後攻に特化した超ダメージを与えてくるシンクロデッキ
後攻特化デッキ代表だった【ヌメロン】でもここまでのダメージを叩き出すのは『リミッター解除』がないと無理なことを考えると新時代感が凄いですね。それでかつコンパクトさもあるとは。相手が爆散するスペックは十分にあるので後攻デッキの新たな代表格になるのかも?ここからの対策でどうなるのかが気になるテーマの1つですね。