今回はコラム回という事で遊戯王における最上位の耐性、【効果を受けない】テキストについての分類の話になります。
一昔前までの【カードの効果を受けない】は文字通りモンスターゾーンに存在する限り全てのカード効果を受け付けない無敵の耐性でした。自分のカード効果も受け付けない欠点はあるものの概ね最強と言っていいと思います。まあわかりやすい。
ただ2014年、第9期と呼ばれる時代を境にややこしいテキストが増えたんですね。それが【このカードは相手が発動した効果を受けない】というテキストです。
このテキストは【カード効果を受けない】とは似て非なるものなんですがここが遊戯王をややこしくしているポイントの1つだと思っているので今回はこの2つのテキストの違いについて話していけたらなと。
まず遊戯王のカードには【発動】と【効果】がある
正確には【カードの発動】と【効果の発動】なんですけど発動発動とわかりづらいので、今回は【発動】と【効果】という感じで略していきます。遊戯王のカード、特に魔法罠カードには基本的にこの【発動】と【効果】の2つが内蔵されています。『聖なるバリア-ミラーフォース』を例にして上げると・・・
- 【発動】条件:相手モンスターが攻撃してきた時
- 【効果】:相手の攻撃表示モンスターを全て破壊する
こうなります。まあ要は【発動】してから【効果】を適用すると覚えてもらって"基本は"大丈夫です。ここはラッシュデュエルのカードがわかりやすいと思います。左が遊戯王OCG、右がラッシュデュエルのものですね。
この発動と効果がセットになっている場合は【カード効果を受けない】耐性と【このカードは相手が発動した効果を受けない】耐性、両方とも防ぐ事が出来ます。じゃあ何が違うねんという話になってくるのが・・・
カードの【永続効果】に対しての耐性の有無
今回紹介する2つの耐性の明確に違うところと言える部分ですね。例えば↑の『大捕り物』は相手モンスター1体を対象に【発動】し、このカードが存在する限り【永続的にコントロールを奪う効果】を持っています。これが文字通り【永続効果】と呼ばれる物ですね。
この永続効果は【発動】と切り離されているのが特徴で【発動】と【効果】がセットになっていない、つまり【このカードは相手が発動した効果を受けない】耐性では防ぐ事が出来ないという裁定になっています。
公式用語だと
- 『○○ゾーンで適用される永続効果です。』
- 『魔法&罠ゾーンの表側表示のこのカードが適用するチェーンブロックの作られない効果です。』
- 『そのカードが表側表示で存在する限り適用されます。』
- 『このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、そのモンスターを対象に取り続けます。』
- 『○○の効果の処理にチェーンブロックは作られません。』
と非常に種類が多いのでそこは注意ですね。
面倒くさいってなってる人は【このカードは相手が発動した効果を受けない】耐性は【効果適用時にチェーンブロックを作らない】効果を防ぐ事が出来ないと覚えていれば大丈夫です。これが防げるのかどうなのかが気になるみたいな人は遊戯王公式のカード検索機能のQ&Aで調べてみると楽です。例えば↑のカードのもう一方、『御巫の誘い輪舞』の②のコントロール奪取だと・・・
【このカードが表側表示の間適用されるチェーンブロックを作らない効果】となっているので、【このカードは相手が発動した効果を受けない】耐性では防ぐ事が出来ませんね。この場合相手は『御巫の誘い輪舞』にチェーンして除去する事が出来ないと【御巫】モンスターが出てきた瞬間にコントロールを奪われます。
『大捕り物』や【グレイドル】モンスター、『氷剣竜ミラジェイド』等は【効果適用後】ではなく【発動時】を止めないと大惨事になるかもなので止めれるなら止めときましょう。
この2つの耐性はカードの対象自体は取れる
【カード効果を受けない】耐性と【このカードは相手が発動した効果を受けない】耐性でよく紛らわしくなる部分ですね。
例えば【カード効果の対象にならない】という耐性がある『ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン』には対象を取るカードである『大捕り物』も『御巫の誘い輪舞』も効きません。選択肢にすら選べないし1体なら発動も出来ません。
反面【カード効果を受けない】耐性と【このカードは相手が発動した効果を受けない】耐性、この2つは対象を取る事自体は出来るという裁定になっています。これに何の意味があるのかというと上述の『大捕り物』や『R-ACEインパルス』のような【発動した効果を受けない】モンスターに対する抜け道があったり、カードの空撃ちが出来るというメリットがあります。まあ空撃ちの方は滅多に使わないので知識としてあったらいいなくらいのレベル。セレーネの魔力カウンターを無理矢理貯めたり閃刀起動エンゲージの追加ドローのために空撃ちして無理矢理伸ばしたり出来はする。抜け道シリーズでメジャーな所だと『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』でしょうか。
このモンスターは相手モンスターを選んで効果をコピーする効果を持っているのですが、【効果を受けないモンスター】も選ぶ事が出来る+ステータスを参照する効果なので問題なくカード名をコピーして攻撃力を上げる事が出来ます。ステータス参照は相手モンスターに一切の影響を与えない効果というのがミソですね。『邪神アバター』とかがわかりやすいのかな。
【このカードは相手が発動した効果を受けない】にはデメリットしかないのか
結論から言ってしまうとそんな事はないです。確かに【このカードは相手が発動した効果を受けない】耐性には思ったより穴があり【カード効果を受けない】よりも劣っている部分もありますが、大体は『相手が発動した効果を受けない』と書いてあるので自分のカードの恩恵をしっかりと受ける事が出来ます。ここはありがたいですね。
例えば【カード効果を受けない】耐性を持つ『BF-フルアーマード・ウィング』は信頼はおけるものの攻撃力が3000と物足りなく意外と攻撃力で突破されるという弱点があります。この場合フルアーマーの攻撃力は上げられないので相手のモンスターの攻撃力を下げる手間がかかるんですね。【BF】だとそれはしづらいので面倒くさい。
反面『相手が発動した効果を受けない』効果をもつ『鎧皇竜-サイバー・ダーク・エンド・ドラゴン』は耐性に穴はあるものの、『アタッチメント・サイバーン』等の攻撃力アップが見込めるので戦闘で突破されづらいですね。まあ両者一長一短といった感じ。
知っておくと対戦を少しだけ有利に出来る
使うにしろ使われる側にしろこういう穴があるんだよという事を知っておく事でプレイングに影響する部分だとは思うので知っておいて損はないのかも。【発動】と【効果】の部分は最近重要になってきているので別途で記事を書くかもしれません。